大変なことになった広島

最近、広島の人々は静かです。気味悪いぐらい、おとなしくなりました。先日、リオ・デジャネイロ・オリンピックが終わって、テレビや新聞で広島カープの試合報道に目がいくようになりました。東京ドームでの巨人戦に勝利して、そこで優勝マジックが点灯した途端に広島の街はヘンなムードです。

八丁堀交差点から三越デパートの方を見ると、暑さのせいか湯気が立っているように見えます。振り返って、紙屋町方面に目をやると、相生橋の上空に蜃気楼が現れているような気がします。

広島カープは本当に優勝するのだろうか? 広島が野球に勝つことで、本当に優勝を認めてもらえるのだろうか? 結局、誰かの冗談じゃないのか? 広島県民を陥れるドッキリで、最期にカープ優勝なんてナイヨ企画じゃないのか? 騙されているんじゃないのか?という人も本当にいるくらいです。

毎年、Bクラスに低迷して、苦しいばかりの戦い。勝ったと思ったら負ける。充分な戦力も整わず、最期の最期に負けてきました。そんな無様な広島カープを何年も見てくると、まだ信じられません。

幟町の珈琲館に毎日現れて、カフェオレに砂糖をたっぷりれ入れて新聞のスポーツ欄に目を通しながら「死ぬまでにカープの優賞を見たい」と言うおじいさんがいました。その人は先月、オリンピックが始まる前に心臓病で亡くなられたと珈琲館のマスターが言っていました。

動き始めた為替レート $1=¥99へ

さあ、留学の秋が来ました。日本のお盆帰省Uターンラッシュが一段落したタイミングで、いよいよ為替相場が1ドル99円台突入へ加速を始めました。日本銀行はこれに対応すると発表していますが、実際に1ドルは「85円~90円」が適性レベルだと世界を旅する多くの若者たちは感じています。

確かに円高が進むと、日本は工業製品の貿易国なので、輸出産業には大きな打撃となります。「1ドル当たり1円の為替変動で30億円の差損が発生する」と、中規模の自動車メーカーがアナウンスしています。トヨタ自動車や三菱重工業などの大手メーカーでは、輸出取引額が巨大なために、このレベルの損失には留まらず、経営を圧迫することが考えられます。

しかし、企業の差益差損の話は別の問題として、実際の社会生活の物価の比較という局面から考えると、先に述べたレートが適正であるといえます。世界の物価を比較する時に、同じ国際企業の主製品で比較する方法があります。この例にならい、マクドナルドのハンバーガーセットの値段の比較をすると、日本のハンバーガーセット(ハンバーガー・ポテトフライ・コーラMのセット)が日本で360円であるのに対してアメリカで490円、オーストラリアで520円、イギリスで530円と換算されます。英語圏の諸国では、軒並み日本より同商品が3割~4割高額な現実から考えると、やはり1ドル100円を超えるレートは適正ではないということになります。

日本人に対する大学学費(Non-Resident/International Student Rate)でも、カリフォルニア州の4年制大学は年間2万ドルを超えるところが多く、いくら現地アメリカ人学生の4倍設定としても、年間学費として日本円換算200万円を下回るレートがナチュラルな相場だといえます。

さあ、これから留学のチヤンス到来です。

リオ銅の女子ウェイトリフティング

オリンピックの選手は、当然に日本を代表する日本最高レベルの選手です。その選手たちが五輪に出場して、そこで苦戦をして他国の選手に敗北することが多いので応援する私たちは、ハラハラ、ドキドキしながらテレビを見ています。頑張った選手たちを讃えたり、負けを残念がったり、一喜一憂しながら観戦しています。
 
いよいよ始まったリオデジャネイロ・オリンピック。昨日は女子ウエイト・リフティング競技で、日本のホープ三宅選手が銅メダルを取りました。何年も努力をしてきた成果なので、三宅選手は「本当に素直にうれしいです。この日のために4年間積み上げてきました。しかし、上手く上がらないのでダメかと思っていたのが最後に表彰台に立つことができてうれしいです。」と話しました。

三宅選手は今大会では、最初2本を失敗。スナッチの3本目で「私の夏はもう終わり。もうゼロだなと思いました。これで取れなかったら、諦めようと最後は無心でトライしました。信じられませんが、奇跡で80キロが上がりました。グラグラしながらですが抑えることができました。無心で入ったことで抑えられたという感じです。みんなが手伝ってくれたという気がしています。」と語りました。最後は「ヤッター!」と声を出し、バーベルに寄り添ってなでた三宅選手。これまでの練習での苦しかった、大変だった思いが伝わってきました。三宅選手にとってバーベルは、16年間練習してきたパートナーです。「メダルが取れたら、バーベルに、ありがとうと言いたい。今回が4度目の五輪。前回は銀メダルで、今回は厳しと思いましたが、あきらめないで続けることができて銅メダルを取れました。」

さて、4年後の東京ではどのような夢を私たち日本国民に見させてくれるのでしょうか。

がんばれ三宅選手。

【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

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Pokemon Go の問題

今年も8月6日の「広島原爆の日」が近づいてきました。広島市の中心地にある平和公園では、平和記念式典の開催に向けてその準備がはじまっています。今年は、歴史的なオバマ大統領の広島訪問があった後の式典なので、注目度の高いものになりそうです。

平和公園は、広島市のシンボルとして、誰でもが知っている有名な場所です。この公園に、日本でポケモンGOが配信された先月末から多くの若者が集まり始めました。
夏の炎天下の日差しの元で、スマホを片手に、公園に続く本道商店街、相生橋方面、中島町方面から、ぞくぞくと若者が歩いてきては、楽しそうに公園内のあちこちで立ち止まってはゲームに興じています。

公園内の重要施設である「平和記念資料館」では、資料館内と建物エリアでは、訪問者の方々にポケモンGO を行わない配慮を求めるアナウンスを先日行いました。

世界中で大きな社会現象を巻き起こしているポケモンGO。広島平和公園でのゲームの問題点は、「ジム」や「ポケストップ」の位置にあります。これらのポイントが「原爆ドーム」や、「原爆の子の像」に設定されていることが慰霊の場とされている平和公園にふさわしくないとのことから、広島市はこのゲームの運営会社ナイアンティックに設定の解除を申し入れたそうです。

しかし、平和公園は市民や訪れる人々の憩いの場でもあるので、歩きスマホに気を付けて、マナーを守りながらポケモンGOを楽しむことにはまったく問題がないとのことです。

mopogo

平和を願う方々が、世界中からひとりでも多く広島平和公園を訪れることは、私たち市民の願いであり嬉しいことでもあります。