留学生の学費が高騰

近年、何れの国の留学先学校に於いても、留学生の負担する費用が著しく上昇しています。毎年5%以上、多い場合は10%に達する学校経費の上昇率ですが、それを5年間のスパンで見ると単純計算で5年前学費の25%~50%のアップ率となります。

例えばアメリカのロサンゼルスの主要な語学学校学費は、5年前は4週間フルタイムコースで、$750~$850程度でしたが、現在は軒並み$1,000~$1,200に推移しています。滞在費も米国の好景気による物価上昇の影響を受けて、一般住宅地のホームステイ代でも Half Boardの個室で$900を切らなくなりました。滞在するエリアの治安や生活環境によってこの金額は上下しますが、授業料と滞在費だけで$2,000以上、これに昼食代、交通費、雑費の月額予算$800加えると月額$2,800、日本円では現在のレートで月額32万円位が必要になります。1年間の留学では380万円以上の現地費用が必要になります。

これが、大学留学となるとさらに高額で、UCLAの文系学部留学生向け学費は$30,000~$35,000、映画監督で著名なスピルバーグ氏の卒業したSouthern California Universityは私立大学ということもありUCLAより高額で$35,000~$40,000の年間学費と発表されています(※2017年各大学発表資料による)。

学費の高騰が続く現状に於いても、アジアからの留学生は増可の一途をたどっています。発展途上国の事業家や富裕層の子女がアメリカ教育を受けるために、特に米国の大都市部の有名大学に押し寄せるという構図が出来上がっています。

日本は独自の奨学金制度を設けて優秀な若者の海外留学を支援していますが、押し寄せる国際化の流れに力強く対応するために、より高度で安定した継続的留学支援の制度を設ける必要があります。

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海外留学での国際貢献

アメリカでひとつの国際問題が発生しました。アメリカ大統領トランプ氏が12月6日に、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教共通の聖地であるエルサレムを、イスラエルの首都と認定するという方針を固めてイスラエルのアメリカ大使館を、テルアビブからエルサレムに移転するとアナウンスしました。

この内容は相当に難解なので、国際政治の専門の方ににその評論をお任せするとしますが、問題なのは、この措置によって世界がより混乱を極めて、その結果留学生や国際文化活動を海外で目指す若者たちがテロの危険に遭遇するリスクが高まったことにあります。

世界中の人々が戦争を回避して平和に暮らせることが永遠のテーマであるにしても、異なる宗教、主義、主張の壁を越えて多様な民族が、それぞれの利益や言い分を互いに理解して共存を継続することは難しいのが現実です。

これから留学する方々が、その渡航先がアメリカやカナダなど北米でも、イギリスやヨーロッパ諸国でも、あるいは比較的テロ事件の発生する可能性が低いといわれるオーストラリア等オセワニア諸国でも、常に海外で生活を送るのに今まで以上に気を引き締める必要があります。日本人の私たちが海外で出来る限られたことといえば、自分の安全を自分で守り、その中でしっかりと学び、あるいは可能な範囲で国際交流活動をして事故や怪我なく日本に帰国することこそが国際貢献の基本であると言えるでしょう。

 

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